メダカのグリーンウォーター飼育は、自然の生態系を模した方法であり、緑色藻類が繁殖した水槽でメダカを飼うことです。
この記事では、グリーンウォーターの作り方やメリット、デメリット、グリーンウォーターができない原因などを詳しく解説します。
グリーンウォーターを作るには、フィルターのない容器を用意し、日光に当たる場所に置いて、緑色藻類を入れることが必要です。グリーンウォーターを作るのには時間がかかり、濁りが発生しやすいなどのデメリットもあります。
そのため、グリーンウォーターを作る前に、しっかりとメリットとデメリットを理解することが重要です。
グリーンウォーターとは?
グリーンウォーターとは、水槽内で緑色藻類などの微生物が繁殖し、水が緑色に濁る現象のことです。
グリーンウォーターは、メダカの健康維持や繁殖促進に役立つとされています。メダカは水中に浮遊する微小な生物も餌として摂取しますが、グリーンウォーターがある場合、水中に豊富な微生物が存在するため、メダカもより多くの栄養を摂取することが可能になります。
また、グリーンウォーターがあることで、メダカが自然な環境下で生育しているような感覚を得られ、ストレスが軽減されるともいわれています。
ただし、グリーンウォーターがある場合でも、通常の餌は欠かせません。餌の与え方や水温、水槽の清掃など、適切なメンテンナンスは必要となります。
グリーンウォーター飼育のメリット
それでは、メダカをグリーンウォーターで飼育するメリットについて解説していきます。
メダカの健康維持に良い影響を与える
メダカとグリーンウォーターの飼育は、メダカの健康維持にも良い影響を与えます。
まず、グリーンウォーターには微小な生物プランクトンが豊富に含まれています。このため、グリーンウォーターで飼育すると、メダカが自然な食生活を送ることができ、栄養バランスが良くなります。
これらの微生物は、水槽内の有害な物質を分解する働きがあり、水質管理にも役立ちます。また、微生物が繁殖することで、水槽内の水質が安定するため、メダカが快適に過ごせる環境を維持することができます。
メダカの色がキレイになる
グリーンウォーターは、微生物が繁殖することによってできる水質で、透明な水よりも緑がかった色をしています。このような水質の中でメダカを飼育すると、周囲の色が濃くなるため、保護色機能を有するメダカの色もより鮮やかになります。
保護色機能とは、環境に溶け込むような色合いを持つことで、天敵から身を守るための進化的な仕組みのことです。グリーンウォーターの色が濃いため、メダカの保護色機能がより強調され、その美しさが際立ちます。
自然な飼育環境を提供できる
メダカとグリーンウォーターの飼育は、自然な環境を提供することができるため、多くの飼育者から支持されています。
グリーンウォーターを作り、水槽内でメダカを飼うことで、メダカが野生の環境で生活するかのような状態を再現することができます。
さらに、グリーンウォーターを作るために必要な光や餌などは、自然に近い環境を再現するために役立ちます。光を当てることで、水槽内の植物プランクトンが光合成を促進し、水質改善につながります。
メダカとグリーンウォーターのデメリット
続いて、メダカをグリーンウォーターで飼育するデメリットについて解説していきます。
濁って水質管理が難しくなる
メダカのグリーンウォーター飼育には、水槽内の水質管理が重要です。グリーンウォーターを使った飼育は、自然な環境を提供することができる反面、水質管理が難しくなるというデメリットもあります。
グリーンウォーターは水槽内の水の透明度が低下し、中の様子が見えにくくなります。また、水槽内の水のpHが変化することがあります。特にアルカリ性になりやすく、極端に変化するとメダカにとって適した環境ではなくなってしまいます。
水槽内の水の透明度やpHを定期的にチェックし、必要に応じて調整することが重要です。また、過剰な餌や汚れを取り除くなど、水質管理にも配慮しながら、メダカを健康に育てるようにしましょう。
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グリーンウォーターの影響を受けやすい
グリーンウォーターを使ったメダカの飼育において、飼育環境の変化に弱いというデメリットがあります。
例えば、水槽内の温度が急激に変化すると、グリーンウォーターの微生物が死滅し、水質が急激に変化することがあります。雨が続けば緑色藻類が光合成できず、酸素を消費してしまうかもしれません。
また、水槽内の水が腐ったり、異臭がしたりすると、グリーンウォーターの微生物が減少し、水質が不安定になることもあります。
環境変化に敏感であるため、水槽内の環境を安定させ、適切な水質管理を行うことが、メダカの健康的な飼育につながります。
グリーンウォーターの作り方
ここからは、グリーンウォーターの作り方を紹介していきます。
フィルターのない容器で作る
個別にグリーンウォーターを作る場合、濾過装置などのフィルターは不要です。フィルターのない水槽では、有機物が分解されにくく、微生物やプランクトンなどの栄養源となります。
しかし、水質管理が難しく、グリーンウォーターが過剰に発生して水槽内が濁ってしまうことがあります。適切な水質管理と、適度なグリーンウォーターの発生量を保つことが大切です。
グリーンウォーターは、メダカの飼育において自然な環境を提供する方法の一つであり、低コストで維持することができるため、メリットもあります。しかし、デメリットもあり、適切な管理が必要です。
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日光に当たる場所を用意する
グリーンウォーターは、光合成によって発生する緑色藻類の増殖によって水中が緑色に濁る現象です。緑色藻類は、光と二酸化炭素と水があれば生育可能なため、日光を利用した光合成によって増殖します。
日光は、緑色藻類の光合成を促進するために非常に重要です。水槽を屋外に設置して、日光が直接当たる場所に置くことで、グリーンウォーターの発生を促すことができます。
ただし、日光が直接当たりすぎると、水温が上がりすぎて緑色藻類が死滅する可能性があるため、注意が必要です。また、グリーンウォーターを利用する場合は、日光によって水中に緑色藻類が繁殖するまでに時間がかかることもあります。
緑色藻類を入れる
グリーンウォーターは、メダカを飼育していれば勝手に発生する事もよくあります。そのため、特別に何かを購入する必要はありません。ですが、うまく作れない時は緑色藻類を活用してみましょう。
緑色藻類は、水産店やネットショップなどで購入することができます。青水やクロレラ水、生クロレラなどして販売されていることが多いです。近くにお店がない時はネット通販やフリマアプリでも購入できます。
一般的には濃縮生クロレラ(液体)を使うことが多いですが、臭いがきつく冷蔵保存が必要で、使用期限は1ヶ月程度となります。
最近では乾燥させたパウダータイプが販売されており、臭いはなく保存期限は2年ほどあります。使用前に1日程度吸水させる必要はありますが、使い勝手は便利です。
グリーンウォーターができない原因
グリーンウォーターがうまくできない原因は以下のようなものが考えられます。
日光が当たっていない
グリーンウォーターを作るためには十分な光が必要です。日光に当たる場所に水槽を置くか、人工的に光を与える必要があります。
水温が低すぎる
グリーンウォーターは、水温が15℃以下だと形成されにくいとされています。水温が低い場合は、加温器を使って水温を上げる必要があります。
水槽内に緑色藻類が不足している
グリーンウォーターを作るためには、緑色藻類が十分に存在している必要があります。もし水槽内に緑色藻類が不足している場合は、水槽内に緑色藻類を加えるか、肥料を与えて緑色藻類を増やす必要があります。
水槽内の濾過器が働きすぎている
濾過器(フィルター)が働きすぎていると、水槽内の微生物の繁殖が阻害されることがあります。適切なフィルターを選び、適度な濾過を行うことが重要です。
以上が、グリーンウォーターができない主な原因です。
まとめ
今回はメダカのグリーンウォーター飼育|作り方からメリットデメリットまでについての紹介でした!
メダカのグリーンウォーター飼育は、自然な環境を提供することができる飼育方法です。グリーンウォーターを作りそこにメダカを飼うことで、メダカの健康維持にも良い影響を与えることができます。
しかし、グリーンウォーターを作るには手間がかかる上、水質管理が難しくなる、濁りが発生しやすいなどのデメリットもあります。
飼育者がグリーンウォーターを作る前に、メリットとデメリットをしっかりと理解し、飼育環境に適したかどうかを判断することが重要です。