メダカを購入すると、大体の場合は観賞魚用の袋にパッキングしてくれると思います。ですが、購入先の飼育水と自宅に用意した飼育水は、水温や水質などが異なるため、そのまま移動させるのは危険です。
そこで今回は、メダカの水合わせについて解説していきます。
簡単な作業ですが、その後のメダカの体調に大きな影響が出る事もあります。どのような点に注意が必要なのかをしっかりと把握しておきましょう。
水合わせが必要な理由
【水合わせ】とは、購入先の水と自宅で用意した水の状態を、少しずつ調整して、メダカがショックを起こさないようにする作業の事をいいます。
具体的には水温と水質を合わせていきます。
実際のところ、条件さえ良ければ水合わせをしなくてもメダカは普通に生きていたりもします。例えば自宅での水槽移動などです。
隣同士に並べている水槽のHPを測定し、差が1以内の範囲に収まっているなら、水温は同じでしょうし、ペーハーショックを起こす確率も低いです。
さらにいうと、カルキ抜きしていない水道水を、水換え時の注水に使っても生きている場合もあります。これはその地域のカルキ濃度の影響や、注水量などが関係しています。
正しい知識や経験があれば水合わせを簡略化する事もできますが、そうでない場合は必ずやった方がいい作業です。
水合わせに失敗すると・・・
メダカの飼育に慣れた今でも、最初に迎え入れる時の水合わせは緊張します。どれだけ丁寧にやっても、数日後にメダカの様子がおかしくなることも・・・。
自宅で安定した後の水槽移動などは簡単な水合わせで済ませてしまいますが、他から自宅に迎え入れる時の水合わせは最新の注意を払ったほうがいいでしょう。
-
メダカの死因10個と対策|死なないように長生きさせる方法
大切に育てていたメダカが、ある日急に死んでしまった事はありませんか?メダカの飼育は簡単ですが、死んでしまう原因は意外にも多々あります。 ですが、死因を事前に把握しておけば、メダカを死なせず長生きさせる ...
続きを見る
水合わせのやり方
水合わせのやり方自体は難しい作業ではありません。水温と水質を徐々に合わせていくだけです。どれだけ緩やかに慣らしていくかという点が重要になってきます。
水合わせの手順
- 水槽と飼育水を用意する
- 袋のまま水槽に1時間浮かべる(水温合わせ)
- 水槽の水を袋に少量入れる(水質合わせ)
- その日は餌を与えずに様子を観察する
水槽と飼育水を用意する
まず、メダカを迎えるための水槽を立ち上げておきます。メダカの数に対する水量は、1匹あたり1リットルが目安とされています。ですが、水量は多ければ多いほど、メダカには良いです。
私の場合、種親水槽は1匹当たり3~5リットルくらいの水量になるよう調節しています。
飼育水には水道水を利用しますが、カルキを抜くために1日は日光に当てます。無理な環境であればカルキ抜き剤を使用してもOKです。
-
メダカに水道水|カルキ(塩素)抜きの処理は絶対に必要なのか?
アクアリウムはとても美しいモノで、部屋に水槽があると一気にオシャレ度がUPしたりします。でも、水槽のメンテナンスは意外と大変。 そこで、少しでもラクをしたくて【水道水をそのまま使えたら】と考える方もい ...
続きを見る
水槽に水を入れてから、24時間ほど曝気をします。曝気とはエアレーションで水をぶくぶくさせる作業です。これを行う事で、水の中の酸素濃度が一定になります。
袋のまま水槽に1時間浮かべる(水温合わせ)
メダカを購入してきたら、お店で入れてもらった袋のまま、予め用意しておいた水槽に浮かべます。
袋を開けて中の水温と水槽の水温を実際に温度計で確認すると確実ですが、1時間も浮かべておけばだいたい水温は整います。
袋には酸素も充填されていると思いますので、数時間そのまま浮かべておいても大丈夫です。
水槽の水を袋に少量入れる(水質合わせ)
水温が整ったら、水槽の水を袋の中に入れていきます。袋の水量にもよりますが、1回あたりコップ1杯(100~200mL)ほどの水を入れましょう。
1回入れたら5~10分ほど待ち、メダカに変化が無いことを確認して、またコップ1杯の水を入れます。
これを5回ほど繰り返したら、最後に袋の水ごとメダカを水槽に移動させます。
その日は餌を与えずに様子を観察する
水合わせしたばかりのメダカは、急に環境が変わってジッとしていたり、驚いて逃げることが多いです。すぐに餌を与えたくなりますが、その日はそっとしておきましょう。
翌日になって環境に慣れてきてから、少量の餌を与えていきます。
-
季節・サイズ・目的別|メダカに餌を与える頻度と注意点
屋外でメダカを育てていると、自然の影響を大きく受けます。特に水温には注意が必要で、変化に合わせて餌の量や回数を調整しなければなりません。 また、メダカの大きさは針子~稚魚~成魚で何倍も変わってくるので ...
続きを見る
先にエビを入れて安全を確認するのもアリ
本当に丁寧なやり方をするなら【パイロットフィッシュ】といって、事前にメダカを実際に水槽で泳がせておきます。
そのメダカの調子が問題ないようであれば、新しく買ってきたメダカを入れても大丈夫だと判断するわけです。
ただ、そこまで実践するのも大変なので、私は先行してエビを泳がせておいたりします。水質チェックとともに、糞をさせてバクテリアを繁殖させるためです。
パイロットフィッシュと違って、そのままその水槽で飼育できるので便利です。
-
正直なところ水草は邪魔だった|メダカにはエビとタニシがいれば十分
メダカの飼育に慣れてくると、エビや貝、水草などの共生生物にも興味が湧いてきます。私も色々な生き物を同居させて、水質改善を試みた経験があります。 また、ビオトープやレイアウトなど、見た目を楽しみたい方に ...
続きを見る
まとめ
以上、メダカの水合わせ|失敗しないコツはゆっくり時間をかけることについての解説でした。
最後にもう一度、水合わせの手順をまとめておきます。
水合わせの手順
- 水槽と飼育水を用意する
- 袋のまま水槽に1時間浮かべる(水温合わせ)
- 水槽の水を袋に少量入れる(水質合わせ)
- その日は餌を与えずに様子を観察する
水合わせの作業自体はとても簡単です。ですが、簡単なため手を抜く方が多いのも事実です。
自宅の水槽間での移動なら多少簡素化しても大丈夫だとは思いますが、他の所から自宅に迎える時は気を付けて水合わせをしてください。
手間であっても、ゆっくりと時間をかける事が重要です。
普段の水換え方法はコチラ▼
-
メダカの水換え方法|交換する頻度と1回あたりの水量について
メダカの飼育を始めたら、定期的な水換えをしていく必要があります。水換えとは、水槽の一部または全ての水を新しいモノと交換する作業です。 しかし、容器に対するメダカの数、春夏秋冬など様々な条件によって、そ ...
続きを見る