メダカを飼育していると『ゾウリムシが良い』という話を聞くことが多いです。SNSなどを見ていると、ゾウリムシ培養の投稿もよく見かけます。
私もメダカにゾウリムシを与えていますが、確かに粉餌だけよりも稚魚が死ぬ割合が低くなりました。
ですが、ゾウリムシ培養は臭いですし、生餌は管理を怠るとすぐに全滅するのも事実です。
そこで今回は、簡単なゾウリムシの培養方法、与える時期、与え方などについて解説していきます。
ちなみに、私は1リットルのペットボトル3本だけで培養しており、毎日稚魚1,000匹ほどに与えています。臭いも出ない培養方法なので、屋内でも全く問題ありません。
ゾウリムシとは?
以下、ウィキペディアからの引用です。
ゾウリムシは、顕微鏡下では草履(ぞうり)のような形に見える繊毛虫の1種 Paramecium caudatum の和名、広義にはゾウリムシ属 (Paramecium) に属する種を指す。
引用:ウィキペディア
・・・難しいことが書いてありますが、メダカ飼育においては【針子でも食べる事が可能な微生物】と理解しておけば十分です。
作り方|ゾウリムシの繁殖・培養
ゾウリムシの作り方はとても簡単で、餌となる培養液に入れて定期的に攪拌すれば増えていきます。ある程度の水温は必要だと思いますので、屋内での繁殖をオススメします。
一般的に餌は酵母を使う事が多いですが、培養液の臭いがきついので趣味レベルでやると家族からのクレームにもなります。
ですが、生茶を使うとニオイを気にすることなく培養できるので、家の中でも問題なく培養することが可能です。それでは餌ごとの培養方法を紹介していきます。
エビオス
エビオスは胃腸・栄養補給薬として販売されておりますが、その主成分はビール酵母です。水1リットルに対して1~2錠くらい入れれば、培養液の完成です。1日1回は攪拌してください。
わかもと
わかもとも同じくビール酵母が入っている錠剤です。エビオスと同様、水1リットルに対して1~2錠くらい入れて培養液とします。コチラも1日1回は攪拌してください。
生茶
私が使用しているのは【KIRINの生茶】です。先に紹介したエビオスやわかもとを使用すると、お尻から出るアレと同じニオイが部屋中に充満します。しかし、生茶はほぼ無臭です。
培養液に鼻を近づけて嗅げば多少の臭いはしますが、普段生活している分には全く気になりません。詳しい培養方法は以下の通りです。
- 1リットルのペットボトルに水を300mL入れる
- そこにゾウリムシの種水を300mL入れる
- そこに生茶を200mL入れる
- 蓋をしてシェイクする
- 蓋を緩めて1日放置する(フタを軽く載せておく)
- 1日経ったらフタを閉めてシェイクする(あとは繰り返し)
最初に入れる種水の量にもよりますが、培養5日くらいでかなりの増えてきます。その後は3日くらいで半分ほど与えてしまうので、残りは次の種水として利用します。
これを3本のペットボトルでまわすと、常に大量繁殖したゾウリムシを供給することが可能です。
メダカへのゾウリムシの与え方
それでは、メダカへの与え方について紹介していきます。
いつから与えるのか?
ゾウリムシが効果的なのは、メダカが針子の時です。針子は口が小さく餌を食べるのが下手なので、餓死する割合が最も高い時期です。
ですが、ゾウリムシのサイズであれば、針子も食べる事ができます。そのため、卵が孵化したらその日から与えるようにしましょう。
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いつまで与えるのか?メダカの成魚にも与えるのか?
いつまで与えても食べるとは思いますが、成魚サイズまで成長したメダカにとっては餌として小さいです。成魚サイズに生餌を与えるなら、ミジンコの方が効率的に量を食べる事ができます。
なので、私は1cm程度の稚魚になるまでゾウリムシを与え、それ以降はブラインシュリンプ→ミジンコと、生餌の種類を切り替えています。
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どうやって与えるのか?分離は必要?
ペットボトルで培養していると、ゾウリムシは水面近くに集まって泳いでいます。それをスポイトで吸い取り、針子水槽に直接まいて与えます。
ただし、ゾウリムシの培養液は、メダカにとって良くありません。コーヒーフィルターなどでの分離がベストだとは思いますが、手間なのでそこまではしていません。
1回あたりに与える量は?頻度は?
1回あたりに与える量は、飼育水15Lに対してゾウリムシ溶液30mLほどです。これを1日1回与えています。もちろん粉餌も与えています。
具体的には、あさイチで粉餌→出勤前にゾウリムシ溶液→帰宅してから粉餌の順で与えています。生餌はすぐには死なないので、日中でもゾウリムシを食べる事ができます。
先にも書きましたが、培養液はメダカに良くないので、影響が出ない程度に与えるようにしてください。上記の量と頻度であれば、問題なくメダカは成長しています。
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ミジンコで代用は出来ないのか?
ゾウリムシを与える対象は針子です。そのため、ミジンコではサイズが大きすぎて代用する事はできません。
まとめ
以上、メダカにゾウリムシはいつまで必要?与え方から量、作り方まで紹介についての解説でした。
メダカはいつまででもゾウリムシを食べると思いますが、効果的なのは口が小さい針子~稚魚のサイズまでです。
粉餌だけと比べて餓死する確率が下がるので、より多くのメダカを成魚まで育てる事ができます。
ただし、培養液はメダカに良くないので、与える量は少量にしてください。通常の粉餌にプラスアルファで与えるのが良いでしょう。